第73回(『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』
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日時 2000年07月09日(第73回例会)
場所 立教大学
テーマ 『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』(マルクス著),[1]

今回は,最初に近世フランス史の概観を振り返った上で,『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』の中で,序論部分である[1]を検討した。

[1]ではマルクスは重要な理論的問題を非常に文学的な表現形式で叙述している。そこで,われわれは,その一つ一つの命題について,われわれにも了解可能な表現形式で理論的に再把握(再定式化)した。

報告者は,ここでの歴史把握の方法と『経済学批判』の序文でのいわゆる“唯物史観の定式”との関連を問題にした。──いわゆる“唯物史観の定式”が誤読されると,機械的唯物論,客観主義,システム万能論,生産力史観が生まれやすい。その点で,この本は生産関係の担い手に即して,階級闘争論として,歴史的事件を記述しており,当事者とシステムとの矛盾する関係を視野に収めているという点で,評価されうる。

これに対して,出席者からは,次のような留意点が提出された。──当事者とシステムとの関連を明確にするのは(本書の役割ではなく)理論の役割である。この関連が明確にされない限りでは,本書が(『経済学批判』と同様に,但し逆の方向で)誤読されると,観念論,主観主義,当事者万能論,善玉悪玉史観が生まれやすくなってしまうのではないか。

その他に,共和制の意義,ブランキの位置付け,二月革命の評価などが問題になった。