今回は,『市場競争から見た知的所有権』(富田徹男著)の全体(この書の中で例会で検討する予定に入っていない部分を含む)を簡単に概観し,それとともに資本主義社会における知的所有権の位置付けを検討した。

報告者は,問題点として,既に発生してしまっている所有権と知的所有権との区別を法律がどのように位置付けているのかを二段階に分けて展開した。また,報告者は,現代社会のシステムの内部における両者の区別そのものの発生を,このような法的な立場に対して対置した。